強欲のジャンケン 3話目
???「やば〜!!遅刻しちゃう!!」
ママが作ってくれたパイを咥えながら走る。
???「ハァ。やっと着いた…ここがジャンケンコロセウムね。まずは…」
化粧を直すためにトイレを探していたとき、悲鳴が聞こえた。
「ぐぁぁぁぁあぁぁぁあ!!」
???「この悲鳴は一体…って蛇拳!?!?」
???「待って!」
俺「誰だ?急いでいるんだ。」
パリィ「私の名前はパリィ!パー一族の唯一の生き残りよ!」
俺「そうかい。パー一族のお嬢ちゃん、こいつを一緒に医務室まで連れてくのを手伝ってくれ。」
パリィ「え…めんど。」
チョキ枝を医務室のベッドに移動させた。
パリィ「ねぇ!悲鳴が聞こえたけど何があったの?」
俺「グーグルにやられたんだよ。」
パリィ「グーグル…あいつ選手登録抹消されたんじゃないの!?」
俺「何の話だ?」
パリィ「5年前…私怨を持つジャン師100人がグーグルに挑んだけど…返り討ちにあって99人が重症。運良く逃げられた1人はトラウマで精神病になったわ。ジャンケン連盟は彼を危険視して選手登録を抹消したのよ。」
俺「グーグル…噂には聞いた事があったが、そんなやべぇやつなのか…。」
パリィ「あなた次の相手グーグルでしょ。悪いことは言わないから棄権した方がいいわ。いくらあなたが強いからって…」
俺「安心しろ。今日は風がいいんだ。チョキのお母さん指とお兄さん指の間に通る風がな。」
パリィ「…。」
そうして話していると
アナウンスが入った
「それではただいまより2回戦を行いますので、選手の方々はステージの方へお集まりください!!」
俺「さっ、行ってくるか〜。」
パリィ「無茶したら許さないからね!」
俺「はいはい。」
・・・
「お待たせいたしました~!!それでは第二試合を行います。蛇拳りっか VS 最凶の殴り屋グーグルだぁぁあ!!!」
ドシン...ドシン...
俺「おいおい...でかすぎんだろ。」
じゃんけんゾーンに大男が上ってきた。
身長は軽く3メートルは越えており、今にもはち切れそうな程の筋肉量だ。
グーグル「初めまして蛇ちゃん♪」
大男は満面の笑みで話しかけてきた。
俺「慣れあうつもりはない。早く始めろ。」
グーグル「あら、冷たいわねえ~。」
「それでは…始めます。レッツ〜ジャンケーン!!」
俺「最初はグー...ジャンケン...」
俺「大蛇の眼光ー!!」
俺 ✊ vs ✌ グーグル
よし。いくらグーグルといえど俺の大蛇の睨みからは逃げられない。
グーグル「ふふふ。これが蛇ちゃんの技ね♪じゃあ次は私から♪」
グーグル「最初はグー...ふんぬ!!!」
グーグルがグーを前に突き出した瞬間、グーグルの背後にとてつもない大きさの岩が現れた。
グーグル「ジャンケン♪」
俺「だ、大蛇の眼光!!」
俺 ✌ vs ✊ グーグル
俺「ぐああぁぁぁあああ!!」
グーグル「岩に蛇睨みは~効 か な い ♪」
俺の大蛇の眼光が効かないのは初めてだ…
額に汗が滲んだ。
「1対1になりました!泣いても笑っても次で最後です!」
俺「くっ…」
グーグル「これで蛇ちゃんとお別れか~♪」
俺「これを使う時がきたか...」
手のひらを合わせる。
グーグル「どうしたの~蛇ちゃん♪怖気ついちゃった?」
俺「いくぞ。最初はグー...ジャンケン...」
グーグル「これは...ダブルハンド!?わ、私の岩が飲み込まれる!!」
俺 ✋ vs ✊ グーグル
会場「うおおおおおおおおお!!」
グーグル「私が負けるなんて...。」
俺「ぜぇ...はぁ...。」
グーグル「...。」
いつからだろう。強さを求めたのは。
昔から私は身体がでかくて皆から敬遠されていた。
ある時、学校でジャンケン大会が開かれ、私は優勝した。
その時初めて褒めてもらった。嬉しかった。
ママに伝えようと家にダッシュで帰り、勢いよく開けた玄関には最悪の光景が広がっていた。
私にジャンケンで負けた人間の仕業だった。
その時私の中の何かが壊れた音がした。
それから、ずっとジャンケンに明け暮れていた時、ゴッド・オブ・ジャンケンの噂を耳にした。優勝したら一つ願いが叶うらしい。
私の願いは、月の形をチョキにし、すべての人間をチョキの幻術にかける『チョキの目』計画だった。
なのに負けてしまった。
ジャンケンで勝つことだけが存在意義の私が...。
グーグル「蛇ちゃん、ありがとう。あなたのお陰で目が覚めたわ。これで私もママの元に...。」
俺「おい、死んで詫びようなんて絶対にさせねえぞ。」
グーグル「え...。」
俺「俺に協力しろ。俺の願いは『グチョッパ星』を作ることだ。全生物にグチョッパを与え、戦争をなくし、平和な世界を作る。」
グーグル「そんなのできっこない...。人間は奥底にみんな闇を抱えてる。そんなに人は変われないよ...。」
俺「じゃあ今のお前は何なんだ?」
グーグル「はっ...?!」
俺「救えない闇はない。どんなに暗くても俺が光を当ててやる。だから俺についてこい。」
グーグル「うぅぅぅ....。」
大男は泣き崩れた
・・・
チョキ枝「うおおお!!泣かせやがって!うぅ...」
パリィ「あんたいつの間に治ってんのよ。」
俺「泣くな気持ち悪い」
盛り上がっていた控室にアナウンスが入る
「それでは準決勝を始めますので、蛇拳りっか様とジャイオン・キング様はステージにお願いします!」
パリィ「ジャイオンキング!?あの伝説の!?」
チョキ枝「誰だそれ?」
俺「さぁ?」
グーグル「ジャイオン・キングは全種族の王よ。彼はライオンと人間のハーフ。人間の創造の域を超えたビーストハンド使いよ。」
俺「ビーストハンド使い.…56してやる……!!」
グーグル「…。」
つづく