異世界パチンカス 3話目

俺は心に妖精が住み着いているらしい。

妖精とは思えないほど大きく、どちらかと言うと守護霊のようなものだ。

童顔で可愛らしい見た目で、心配性だ。

出会った時は名前を持って無かった。僕は仕方なく「プペル」とつけた。適当につけたが、とても気に入ってるようだ。

 

1000円札をサンドに入れると、真っ暗だった周りが突如、眩しく騒がしいパチンコ屋に変わっていた。

「なあプペル。俺ここに来たことあるんだよな。」

「うん…。」

プペルは少し俯きながら返事をした。

 

「お!やっときたかツバサ!」

笑顔のよっちゃんがこちらに向かって走ってきた。

「なんだここ!こんなでっけーパチンコ屋初めてだぞ!!」

「僕もだよ。1機種で3島ぐらい使ってるね。」

「はやく打ちてーよー!」

よっちゃんが楽しそうに話していた時、マイクのノイズが走った。

「えー。パチンコ中毒者の皆さん、ごきげんよう。私は株式会社マミー代表取締役の前田です。今から皆さんには脳汁ロワイヤルの元、競いあっていただきます。」

「脳汁ロワイヤルってなんだよ!」

「まあまあ騒がないでください。今からご説明致します。・・・。」

 

 

                   脳汁ロワイヤル ルール

1.パチンコを遊戯し脳汁の数で競い合う。

2.台移動不可。

3.脳汁の稼ぎ方は自由

4.制限時間10時間

5.脳汁ランキング上位3名は、獲得出玉×100倍の現金が支給される。

6.上位3名以外の者は、記憶を全て株式会社マミーに捧げる。

 

 

「獲得出玉×100倍の現金!?燃えてきたぜぇ!!」

周囲がざわつく中、よっちゃんだけ謎にテンションが上がっていた。

ざわつく理由は明白だ。何だこの6番目の条件は。

「プペル、この6番目が教えてくれたやつだね。」

「うん。ツバサ…」

「ん??」

「今度は、、」

「分かってるよ。この人生を終わらせてくる。」

 

「皆さーん。いいですかー?始めますよ〜?」

 

ドクン ドクン

体全体が鼓動していた。

 

「それでは〜!脳汁ロワイヤルスタート!!」

 

もう僕だけ取り残されるのは勘弁だ。

絶対に

勝つ!!

 

                         異世界パチンカス 3話目    END