強欲のジャンケン 1話目
ここはジャンケン島
ジャンケンの強さが全てのジャケ肉強食の世界!
そして100年に1度の「ゴッドオブジャンケン」が開催される今日、ランキング上位10名の戦士が立ち上がった!
(※グチョッパトロフィー)
がやがや
やはり今日は人が多い。大会前にご飯でも済ましておこう。
そうして定食屋に向かっている途中、運営から放送が入る。
「えー、ただいまジャンケン島中心部、噴水広場にて本日のトーナメント表を掲載致しました。本日参加される方は必ず目を通して頂くようお願いします。」
トーナメント表は気になるが、腹が減っていた為、飯を済ませてから行くことにした。
カランコロン
「声が大きいよ…。」
「す、すみません。お久しぶりです。」
「久しぶりだねマスター。いつものを頼む。」
「かしこまりました。」
……
「りっか様、本日のトーナメントはご覧になられました?」
「ん?まだだよ。」
「そうですか…。」
「どうした?」
「いえいえ…、ご検討をお祈りしております。」
「そかそか。ごちそっさん。」
「……お気を付けて。」
店を出て噴水広場に向かっていた俺は初めての光景を目の当たりにした。
「なんだこの数は…。」
噴水広場には世界各国のジャンケンマニア達で溢れかえっていた。
「失礼。道を開けてくれ。」
俺は人混みをかき分けトーナメント表に辿り着いた。
「俺の1回戦の相手は…チョキ枝?」
知らない名前だった。海外のプレイヤーだろうか。
いかにもジャンケンが弱そうな爺さんが話しかけてきた。
「あぁそうだが」
「あんたもついてないのぉ。1回戦がチョキ枝とは。」
「どういう事だ?そんなつえーのかこいつ。」
「知らねぇんか!チョキ枝は不気味でのぉ、チョキだけで勝率95%を叩き出したチョキの怪人じゃよ。」
「チョキだけで勝率95%だと…!?」
「なんか小細工があるのか知らんが…まあ気をつける事だ。」
そうして話していると、アナウンスが入った。
「えー。選手の皆様。あと10分後に開会式を行いますので、島の北に位置する『ジャンケンコロセウム』にてお集まりください。」
「もう始まるみたいだ。ありがとう爺さん。行ってくるよ!」
「あぁ、楽しみにしてるよ。(戦えることを…)」
続く